奈良県と言えば、大仏や飛鳥古墳など歴史を思い浮かべる人が多くいると思います。
そのイメージのとおり、かつて都がおかれていた奈良県には、さまざまな歴史を感じられる魅力的な登山・ハイキングスポットがたくさんあります。
奈良県には初心者向けハイキングコースがたくさん!奈良で絶景山歩きを楽しもう
大自然に囲まれた奈良県には、初心者が気軽に楽しめるハイキングコースがたくさんあります。神社や寺院なども点在しており、ハイキングと一緒にパワースポット巡りをすることもできます。
また、奈良県の山は初心者から中級者まで楽しめる、バラエティ豊かなところも魅力です。中には低山で登りやすく、気軽に絶景を楽しめる山もたくさんあります。
今回は、奈良県で絶景山歩きができるおすすめの山をご紹介します。
若草山(わかくさやま)

若草山の基本情報
【山名】若草山(標高:341.8m)
若草山は奈良県奈良市の奈良公園の東端に位置する標高342mの低山です。すげ笠のような形の山が三つ重なって見えることから別名を『三笠山』とも呼ばれていました。山腹の広い範囲をノシバという日本固有の芝に覆われており、鹿たちがのんびりと草を食む姿に出会うことができます。
毎年1月に行われる「若草山の山焼き」は早春を告げる行事として有名です。標高が低く、登山道も整備されており、初心者や子どもが山歩きをするハイキングコースにはぴったりです。山頂からは大仏殿や五重塔、さらに奈良市街が一望でき、素晴らしい眺めが楽しめます。
若草山への登山口にはゲートがあり、入るには入山料の支払が必要です。また、冬の間は入山することができませんのでご注意ください。
入山料
- 大人(中学生以上)150円
- 小人(3歳以上)80円
若草山の見どころ

若草山は芝に覆われていて、さまざまな種類の植物に出会えるといったことはないですが、その分眺望が良く、奈良市街のすばらしい景色を見ながらハイキングをすることができます。
また、若草山頂には前方後円墳である史跡『鶯塚古墳』があります。山の頂にあるたいへん珍しい古墳ですが、被葬者は誰なのかわかっていません。清少納言の枕草子に出てくる「うぐいすの陵」であるとも言われていますが、それも定かではなく、謎の多い古墳です。
山頂から見る奈良のすばらしい景色は夜になるとまた違った一面を見せてくれます。じつは若草山の夜景は、新日本三大夜景の一つに数えられているほどの美しさを誇ります。人生で1度は訪れたいスポットです。
若草山おすすめ初心者ハイキングコース
若草山のハイキングで1番難しいポイントは、「北ゲート」と「南ゲート」のどちらから登り始めるのかを決めるところです。
「北ルート」は森の中を進むルートで、桜や紅葉の季節にはきれいな色合いを楽しむことができます。「南ルート」は視界を遮るものがなく、開放的な山歩きを楽しむことができます。どちらのコースも良く整備されており、子どもでも難なく登れるでしょう。
登っていくと1重目、2重目、3重目(山頂)と標高が上がるごとに視点が高くなって行き、同じ風景でもまた違った景色を楽しむことができるのが若草山のハイキングの特徴です。
登山口
若草山登山口(北ゲート/南ゲート)
アクセス
自動車の場合:
『第二阪奈道路 宝来インター』より県道1号線→国道369号線を通って東大寺を目指します。東大寺付近まで来ると、有料駐車場(コインパーキングなど)が複数あります。東大寺南大門から若草山山麓までの所要時間は徒歩で約15〜20分です。
なお、観光シーズンは東大寺周辺の駐車場は満車になることも多いため、ご注意ください。また、県営大仏殿前駐車場には一般乗用車は入場できません。
電車・バスの場合:
『JR奈良駅』もしくは『近鉄奈良駅』から徒歩、またはバスに乗ります。『奈良交通 春日大社本殿行』のバスであれば、終点で下車し、徒歩5〜10分ほどで登山口に到着します。『奈良交通 市内循環外回り』を利用した場合は、『東大寺大仏殿・春日大社前』で下車。徒歩10〜15分ほどで若草山登山口に到着します。
生駒山(いこまやま・いこまさん)

生駒山の基本情報
【山名】生駒山(標高:641.99m)
生駒山は奈良県生駒市と大阪府東大阪市との県境にある標高642mの低山です。生駒山地の主峰として知られており、大阪や奈良の街の中心部からもよく見えるため、関西人には馴染み深い山です。山上には生駒山上遊園地が開設されており、小学校の遠足の場所としてもよく使われています。
車や公共交通機関でのアクセスも良く、生駒駅からはケーブルカーが出ているため、気軽に山頂までアクセスできます。登山初心者や子ども連れの家族でも手軽にハイキングしたり、登山経験を楽しんだりできる登山コースがあり、幅広い層に人気のある山です。
生駒山の見どころ

生駒山の1番の見どころは、山頂にある生駒山上遊園地です。開園から90年以上たった今もなお、多くの関西人から愛されています。山の上にある遊園地で子どもたちは大はしゃぎです。
山頂からは大阪平野を一望する絶景を望むことができ、夜にはすばらしい夜景を楽しめるスポットとして隠れた人気を誇ります。また、桜、あじさい、ツツジ、椿秋の紅葉など、季節によってさまざまな花々を楽しむことができます。
登山コースの道中にはいろんな魅力的な寄り道スポットが点在しているので、夢中になって時間を忘れないようにしましょう。
生駒山おすすめ初心者ハイキングコース
生駒山は大阪側から登るハイキングコースと、奈良側から登るハイキングコースが、それぞれ複数あります。どのコースも電車でのアクセスが良く、鳥居前駅と生駒山上駅を結ぶ生駒ケーブルを使えば、体力に自信がない初心者の方や子ども連れでも気軽に楽しめます。
はじめて生駒山に登る方は、大阪側から暗峠越奈良街道に入る「摂河泉展望コース」がおすすめ。花の名所や紅葉スポットが多く、抜群の展望を楽しめるコースです。
登山口
(摂河泉展望コースの場合)
暗峠越奈良街道に入り、松尾芭蕉の句碑を目印にすると良いでしょう。
アクセス
自動車の場合:
『第二阪奈道路 西石切インター』より国道308号線を経由し、10〜15分ほどで枚岡公園に到着。松尾芭蕉の句碑までは徒歩15分ほどです。
《駐車場》
枚岡公園駐車場
- 料金:無料
- トイレ:あり
電車・バスの場合:
『近鉄奈良線 額田駅』または『近鉄奈良線 枚岡駅』から徒歩15〜20分ほどで、松尾芭蕉の句碑に到着します。
出典:
東大阪公式観光情報サイト「枚岡公園(ひらおか公園)」
東大阪市公式Webサイト「生駒山ハイキングコースの紹介」
生駒の散歩道
近鉄 生駒ケーブル
二上山(にじょうさん)

二上山の基本情報
【山名】二上山(標高:517m)
二上山は奈良県葛城市と大阪府南河内郡太子町にまたがる、金剛山地の北部に位置する低山です。昔は大和言葉で「ふたかみやま」と呼ばれていました。北方に雄岳(517m)と南方に雌岳(474m)の2つの山頂があり、雄岳の頂上には悲劇的な死をとげた大津皇子の墓があります。
公共交通機関でのアクセスが良い二上山は、日帰りで気軽にハイキングができる身近な山として人気があります。人がよく訪れる登山道はよく整備されており、初心者や子どもでも歩きやすいです。
雄岳山頂からは大阪平野や奈良盆地の絶景を楽しむことができます。桜や紅葉など自然も豊かで、大阪みどりの百選に選定されています。
二上山の見どころ

二上山の見どころは、何と言っても山頂からのすばらしい景色です。特に雌岳の頂上からは、大阪平野や奈良盆地を一望できる絶景を楽しむことができます。天気の良い日にはあべのハルカスや大阪湾まで見渡すことができます。
雌岳の山頂は開けており、石で作られた大きな日時計があります。また、春には桜がきれいに咲き誇ることで有名で、お弁当を食べるランチスポットになっています。
二上山のふもとには岩屋・鹿谷寺跡(ろくたんじあと)という2つの石窟寺院跡があり、鹿谷寺跡には十三重の塔があるなど、いにしえの歴史を垣間見ることもできます。
二上山おすすめ初心者ハイキングコース
二上山は、低山で登りやすいことだけではなく、さまざまな登り方ができるところも魅力です。大阪側から登るコースや奈良側から登るコースなど、気分に合わせて好みのハイキングを楽しむことができます。
一部の登山道は金剛葛城山系の稜線を縦走する長距離自然歩道のダイヤトレールとも重複しており、初心者だけでなく登山経験者も訪れる人気の山です。
初めて訪れる方や登山初心者は、二上山ハイキングを堪能できる『二上山神社口』から『雄岳』→『雌岳』→『岩屋峠』→『祐泉寺』→『大龍寺』を通って『當麻寺』まで下るルートがおすすめです。そこから『当麻寺駅(たいまでらえき)』まで、15分ほどです。
登山口
葛木倭文座天羽雷命神社(かつらぎしどりにいますあめのはいかづちのみことじんじゃ)の左脇から、登山道に入りましょう。
アクセス
自動車の場合:
『南阪奈道路 葛城インター』から国道165号線を香芝方面へ北上すると、10分ほどで『道の駅 ふたかみパーク當麻』に到着します。葛木倭文座天羽雷命神社までは、徒歩で15分ほどです。
《駐車場》
道の駅 ふたかみパーク當麻
- 台数:普通車140台ほど
- 料金:無料
- トイレ:あり
電車・バスの場合:
『近鉄南大阪線 二上神社口駅』から徒歩10分ほどで、葛木倭文座天羽雷命神社に到着します。
奈良県には初心者がハイキングを楽しめる山がたくさん!山歩きに出かけよう!
奈良県の初心者におすすめのハイキングコースランキングTOP3はいかがでしたでしょうか?聞いたことのある身近な山もあったのではないでしょうか?
大自然と歴史を楽しむことができる奈良県は、初心者や子ども連れのファミリーにも人気のスポットです。ご紹介した山のほかにも、まだまだ登山・ハイキングを楽しめるおすすめの山がたくさんあります。
登山やハイキングをしたいとお考えの方は、次の休日にご紹介した山に登ってみてはいかがでしょうか?

筆者プロフィール:中土 剛志
株式会社センターグローブ代表。 SEOや記事制作の仕事に携わりながら、登山をライフワークとして楽しんでいます。
「日本山歩きのクエスト」は、登山やハイキングをもっと気軽に楽しんでほしいという思いから、自身の体験をもとに立ち上げたサイトです。
月に一度は山に足を運び、これまでに富士山や剣岳といった名峰にも挑戦してきました。
はじめて山歩きに挑戦する方にもやさしく紹介していますので、参考にして頂けますと嬉しいです。