関東近郊には、宿泊を伴う登山よりも気軽に挑戦できる日帰りで登れる山が数多くあります。ただし、山によって難易度は異なるため、自分に合った難易度の山を選ぶ必要があります。
本記事では日帰り登山の山の選び方と、東京から日帰りで登れるおすすめの山を説明します。日帰り登山に必要な持ち物についても紹介しているため、関東近郊で日帰り登山を検討している方はぜひ参考にしてください。
日帰り登山に適した山の選び方

日帰り登山とは、夜明けから日暮までの間に自宅を出て山に登り、下山して帰宅することを指します。アクセスに必要な時間も含めて、12時間以内が目安です。そのため、日帰り登山を行うためには、日帰り登山に適した山を選ぶ必要があります。
日帰り登山に適した山の選び方は、以下の通りです。
- 自宅からの距離で選ぶ
- 難易度で選ぶ
- 人気の山かどうかで選ぶ
自宅からの距離で選ぶ
初心者が日帰りの登山を始める際は、自宅から近い山を選ぶことがおすすめです。長時間の移動は体力を消耗し、予期せぬトラブルに対応する余裕を奪う可能性があります。
登山では予期していないトラブルが起こることがあるため、ゆとりを持った計画が必要です。遠方の山を選ぶと移動時間が長く、行動計画が崩れる可能性があります。
そのため初心者の登山では、移動時間を短縮して、計画の余裕を持たせるために、自宅から近い山を選びましょう。さらに、時間を節約するために、山へのアクセス方法を事前に確認しておくことが重要です。公共交通機関を利用する場合は時刻表を確認して、車を利用する場合は道路状況や駐車場の情報を事前に調べておきましょう。
難易度で選ぶ
初心者が日帰り登山を楽しむためには、難易度で山を選ぶことが重要です。登山の難易度は歩行時間や標高、難所の有無などにより異なります。
初心者が難易度の高い山を選ぶと、体力を消耗しつくしてしまったり、日暮までに下山できない可能性があったりします。安全かつ楽しく登山を行うために、初心者が登山する場合は難易度の低い山から始めて、慣れてきたら少しずつ難易度を上げていく方が良いでしょう。
山の歩行時間については、ガイドブックや登山雑誌で調べられます。登山者の歩行速度は人それぞれですが、一般的には登りであれば一時間あたり300mほど、下りであれば400mほどが目安です。以下の表に、初心者から上級者までの登山者向けに、おすすめの標高差とそれに対応する歩行時間をまとめました。
ただし、標高の高い山でもロープウェーなどの設備によって初心者でも登りやすくなっているところがあります。標高だけではなく、ロープウェーはあるか、初心者コースは用意されているか確認してみると良いでしょう。
| 歩行時間 | 標高差 | 例 | |
| 初級 | 3.5時間以内 | 600m以内 | 高尾山(東京都) |
| 中級 | 3.5時間〜7時間 | 600〜1,200m | 鶏鳴山(栃木県) |
| 上級 | 7時間以上 | 1,200m以上 | 雲取山(東京都) |
人気の山かどうかで選ぶ
人気がある山は道が整備されており、迷う可能性が低いことから、初心者におすすめです。具体的には、指導標や看板が設置されていたり、途中で休憩を取れるベンチが設けられていたりします。
ただし、人気のある山でも、天候の急変や足元の滑りなど、予期せぬ事態が発生する可能性はあります。問題が発生した際に他の登山者に助けてもらえる点も人気の山を選ぶメリットのひとつです。
【初心者向け】東京から日帰り登山ができる関東近郊のおすすめの山
東京から日帰りで登山できる、初心者向けの山を紹介していきます。
高尾山(東京)

Photo by 日本山歩きクエスト
東京都内にある高尾山は、アクセスの良さと豊かな自然で初心者におすすめの山です。新宿から電車で1時間以内にアクセスできて、毎年250万人前後もの登山者が訪れます。ケーブルカーやリフトが整備されており、体力に自信がない人でも挑戦しやすい山といえるでしょう。
高尾山は山頂から富士山を一望できて、四季折々の自然を楽しめます。また、ブナの木やタカオスミレなど1,300種類もの植物が確認されており、低山でありながらも手軽に自然と接することが可能です。
高尾山にはさまざまな登山コースがあり、それぞれのコースが異なる難易度となっています。特に初心者におすすめのコースは1号路です。多くのトイレが設置されており、急なトイレにも対応できます。
標高(高低差)
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599m
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登山時間の目安
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コースによって異なる
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登山コースの種類・長さ
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・1号路:3,800m
・2号路:900m
・3号路:2,400m
・4号路:1,500m
・5号路:900m
・6号路:3,300m
・稲荷山コース:3,100m
・高尾山・陣馬山コース:15,300m
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山の難易度
| ★☆☆☆☆ |
体力レベル
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★★☆☆☆(コースによって異なる)
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登山者の数
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★★★★★
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所在地
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東京都八王子市高尾町
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アクセス
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・電車、バスの場合:新宿〜高尾山口駅まで約50分
・自動車の場合:圏央道高尾山ICを降りて新宿方面へ約5分
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駐車場の有無
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・高尾山薬王院祈祷殿駐車場
・八王子市営高尾山麓駐車場
・京王高架下臨時駐車場
・氷川神社臨時駐車場
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出典:高尾登山電鉄公式サイト
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https://www.takaotozan.co.jp/
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大山(神奈川)

Photo by 日本山歩きクエスト
神奈川県の大山国定公園に位置する大山は、古くから霊山として信仰を集めて、現在では日本遺産に認定されています。ケーブルカーを使用すれば、初心者や体力に自身のない方でも挑戦しやすいです。
都心から約2時間でアクセスが可能で、標高1,252mの美しい山容を誇ります。神奈川県の景勝50選に選ばれるほど美しく、天気が良ければ、江ノ島や三浦半島、房総半島などを見渡せます。
標高(高低差)
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1,252m
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登山時間の目安
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4時間
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登山コースの種類・長さ
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・大山山頂周遊コース(-m)
・大山・日向コース(-m)
・ヤビツ峠コース(-m)
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山の難易度
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★☆☆☆☆
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体力レベル
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★☆☆☆☆
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登山者の数
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★★★☆☆
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所在地
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神奈川県厚木市七沢
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アクセス
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・電車、バスの場合:小田急線『伊勢原駅』から『大山ケーブル』までバスで移動。そこから大山ケーブル駅まで徒歩約10分 ・自動車の場合:東名厚木ICまたは東名秦野中井ICから国道246号経由で約40分
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駐車場の有無
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・伊勢原市営大山第1駐車場
・伊勢原市営大山第2駐車場
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出典:大山観光電鉄株式会社公式サイト
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https://www.ooyama-cable.co.jp/
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【中級者向け】東京から日帰り登山ができる関東近郊のおすすめの山
東京から日帰りで登山できる、中級者向けの山を紹介していきます。
岩殿山(山梨)

山梨県に位置する岩殿山は、ダイナミックな山登りと素晴らしい富士山の展望が魅力の山です。起伏のある岩場や大岩壁の稚児落とし、兜岩のトラバースといった迫力のある地形が楽しめます。鎖やロープが整備されており、初心者から中級者まで挑戦することが可能です。
メインルートは畑倉登山口から山頂を目指すコースで、整備されていることから初心者でも登れます。その先には、稚児落とし方面へ続く、岩場や鎖場のある本格的な登山道が待っています。経験を積んで、より本格的なコースに挑みたい場合は、稚児落とし方面のルートにも挑戦してみてください。
標高(高低差)
| 634m |
登山時間の目安
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3時間半
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登山コースの種類・長さ
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畑倉登山口往復コース(-m)
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山の難易度
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★★★☆☆
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体力レベル
|
★★★☆☆
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登山者の数
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★★☆☆☆
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所在地
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山梨県大月市賑岡町岩殿
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アクセス
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電車の場合:JR中央本線『大月駅』から登山口まで徒歩約50分
自動車の場合:『中央自動車道大月インター』から国道20号線を経由して、
国道139号に入り道なり4.4㎞ほど進む
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駐車場の有無
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岩殿山公園市営駐車場(畑倉登山口までは徒歩で約20分ほど)
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出典:大月市観光協会ウェブサイト
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https://otsuki-kanko.info/category/content-page/view/188
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日帰り登山・ハイキングに必要な持ち物リスト

日帰り登山・ハイキングに必要な持ち物、またはあると便利な持ち物を以下の表にまとめました。
【日帰り登山・ハイキングに必要な持ち物リスト】
| 持ち物 | 詳細 |
| 登山靴 | 登山時に着用する |
| レインウェア | 突然の雨から身体が濡れるのを防ぐ |
| ザック | 登山で使用する荷物を入れる |
| 帽子 | 紫外線や寒さから頭を保護する |
| 手袋 | 手を怪我や寒さから保護する |
| サングラス | 紫外線から目を保護する |
| 地図・コンパス | 現在地や目的地を確認する |
| 水筒 | 水分を持ち運べる |
| 行動食 | 登山中にエネルギーを補給できる |
| モバイルバッテリー | スマートフォンの充電切れを防げる |
| 救急セット | 怪我をしたときにすぐに手当てできる |
| ヘッドライト | 両手が空いた状態で足元を照らせる |
【日帰り登山・ハイキングにあると役立つ持ち物リスト】
| 持ち物 | 詳細 |
| トレッキングポール | 歩行時に使用することで体にかかる負担を軽減できる |
| ゲイター | 足首に着用することで小石や砂が登山靴に侵入するのを防げる |
| サコッシュ | スマートフォンや地図など使用頻度の高い小物を収納できる |
| ペットボトルリング | ゴムに引っ掛けるだけでペットボトルを手ぶらで持ち運べる |
| ウェットティッシュ | 手が汚れたときにすぐに綺麗にできる |
| 浄水器 | 沢水などを安全に飲める |
まとめ
日帰り登山であれば初心者でも挑戦しやすく、気軽に自然を楽しめます。しかし、どの山でも日帰りで登れるわけではなく、安全かつ快適に登山を楽しむためには、自分に合った山選びが重要となります。登る山を選ぶ際は、以下の3点を意識してください。
- 自宅から公共交通機関や車で行きやすい山を選ぶ
- 難易度の低い山を選ぶ
- 人気の山を選ぶ
本記事では、初心者・中級者別に、関東近郊の日帰り登山ができるおすすめの山を紹介しました。それぞれ異なる魅力があるため、ぜひ選択肢に入れて登る山を検討してください。
筆者プロフィール:中土 剛志
株式会社センターグローブ代表。 SEOや記事制作の仕事に携わりながら、登山をライフワークとして楽しんでいます。
月に一度は山に足を運び、これまでに富士山や剣岳といった名峰にも挑戦してきました。
登山情報を、はじめて山歩きに挑戦する方にもやさしく紹介していますので、参考にして頂けますと嬉しいです。

