山と海の恵みが豊かな岩手県は、温泉地やグルメなどを目的として観光に訪れる方がたくさんいます。
また、「岩手県」と聞いたときに、雄大な山々のイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。そのイメージの通り、岩手県には自然の風景が登山スポットはもちろん、子ども連れで山歩きを楽しめるスポットもたくさんあります。
岩手県には登山初心者・親子で一緒に楽しめるハイキングスポットがたくさん!
岩手県の山は、四季折々の自然を楽しめるところが大きな魅力です。また、山の数自体もかなり多く、上級者向け・中級者向けの難易度の高い山はもちろん、初心者向けの山もたくさんあります。山道が整備されているところや、2時間程度で歩けるところを選べば、親子でハイキングを楽しむことも可能です。
今回は、登山初心者や子ども連れのファミリーが気軽に楽しめるハイキングスポットを厳選して紹介します。
八幡平(はちまんたい)

八幡平の基本情報
【山名】八幡平(標高:1,614m)
八幡平(はちまんたい)は岩手県と秋田県の間に位置する標高1,613 mの日本百名山のひとつです。山域は火山の博物館の異名をもつ十和田八幡平国立公園に指定されています。
八幡平は「アスピーテ地形」と呼ばれる盾を伏せて置いているかのような、なだらかな山容をしている成層火山です。頂上部付近には「八幡沼」や「ガマ沼」、「メガネ沼」など火口沼や湿地帯が多数存在しています。これは9,000年〜5,000年前におこった火山活動による水蒸気爆発によってできた火口が長い年月をかけて姿を変えたものです。
傾斜が少なく、穏やかな山容をしているため、初心者や子ども連れのファミリーでも気軽にハイキングを行うことができます。
八幡平の見どころ

八幡平には多種多様な高山植物が生息していることで知られています。山頂からは遠くまで広がる広大なアスピーテ地形特有の稜線と空を映し出す鏡のような火山沼、そして高山植物がおりなす、絶景パノラマビューを堪能することができます。
また、季節によって見せる姿や楽しみ方が違うのも八幡平の魅力のひとつです。たとえば、5月下旬〜6月中旬の雪が溶ける限られた時期に姿を見せるのが、「八幡沼」のドラゴンアイです。沼の外側の氷が徐々に溶けることによって、中央部分の雪が丸く残ることで、エメラルドブルーの水と円形に残った雪が「龍の目」のように見える神秘的な現象です。
7月下旬〜8月上旬には八幡沼の湿原地帯を中心に湿地植物や高山植物が彩りを見せます。また、八幡平は日本でも有数の紅葉スポットとしても知られており、色鮮やかな紅葉が山を包み込む姿は多くの人を魅了します。
冬には北西からの季節風によって、アオモリトドマツなどの樹氷がどんどん大きくなります。その姿はアイスモンスターと呼ばれ、冬には見渡す限り一面に多種多様な形をしたアイスモンスターを見ることができます。
八幡平おすすめ初心者ハイキングコース
初心者におすすめの八幡平ハイキングコースが『八幡沼・ガマ沼展望台コース』です。「八幡平登山口」からスタートして見返峠を通り、ガマ沼と八幡沼の間を抜けて八幡平山頂を目指します。
帰りはメガネ池などを通って登山口に戻ります。登山道はよく整備されていて、初心者や子ども連れでも比較的気軽にハイキングをすることができます。
登山口
八幡平登山口(八幡平山頂レストハウス)
アクセス
自動車の場合:
『東北自動車道 松尾八幡平インター』から県道45号を進み、右折して県道23号(アスピーテライン)に入ります。そのまま道なりに30分ほど進むと『八幡平山頂レストハウス』に到着です。
《駐車場》
八幡平山頂レストハウス駐車場(八幡平展望駐車場)
- 台数:約150台
- 料金:有料(普通乗用車500円)
- トイレ:あり
電車・バスの場合:
『JR東北本線 盛岡駅』から『八幡平自然散策バス 御在所行』に乗車して、『八幡平頂上バス停』で下車します。
鞍掛山(くらかけやま)

鞍掛山の基本情報
【山名】鞍掛山(標高:897m)
鞍掛山(くらかけやま)は岩手県滝沢市にある標高897mの低山です。日本百名山に数えられる岩手山の南東のふもとに位置しています。鞍掛山という名前は、2つのこぶが並んでいるような山容が、馬の鞍をかけているように見えることから、そう呼ばれるようになったとされています。
山頂からは四季折々の雄大な岩手山の姿や早池峰山、秋田駒ヶ岳を望むことができます。登山道は整備されていて、初心者や子ども連れのファミリーでも気軽にハイキングしやすい山として知られており、多くのリピーターが訪れます。
ふもとには、キャンプ場や温泉、牧場、スキー場、たきざわ自然情報センターなどがあり、ハイキング以外のアウトドアレジャーも楽しめる人気スポットです。
鞍掛山の見どころ

鞍掛山の見どころは山頂から望む、雄大な岩手山の景色です。反対側は展望が開けており、遠方まで広がる爽快な景色を満喫することができます。また、傾斜が緩やかで登りやすいため、シーズンを問わず1年を通して登山・ハイキングを楽しめるのも人気のポイントです。特に紅葉の季節は美しい景色を見ようと毎年多くの方が訪れます。
鞍掛山おすすめ初心者ハイキングコース
鞍懸山のハイキングコースは『相の沢キャンプ場』からのスタートとなります。相の沢キャンプ場からは『東側コース』と『西側コース』の2つのコースに分かれています。東側コースと西側コースは途中で合流して山頂に続きます。
行きは東側コース、帰りは西側コースなど登りと逆のコースを選べば、また違った山歩きを楽しめます。どちらのコースも初心者でも気軽に登ることができるハイキングコースです。
登山口
相の沢キャンプ場
アクセス
自動車の場合:
『東北道盛岡インター』から国道46号線を進み、県道131号線へ右折して入ります。そのまま直進すると、すぐに県道219号線に切り替わりますので、そのまま北上すると『相ノ沢キャンプ場』に到着します。盛岡インターから相ノ沢キャンプ場までは約30分程度の道のりです。
《駐車場》
相の沢キャンプ場駐車場
- 料金:無料
- トイレ:あり
電車・バスの場合:
『JR田沢湖線 小岩井駅』からタクシーで約20分で相の沢キャンプ場に到着します。
三ツ石山(みついしさん)

三ツ石山の基本情報
【山名】三ツ石山(標高:1,466m)
三ツ石山(みついしさん)は、岩手県八幡平市と雫石町の間にある標高1,466mの東北百名山に選ばれている山です。岩手山から続く裏岩手縦走路上にあり、縦走コースの登山路にもなっています。どの角度から見ても3つの岩峰があるように見えることから三ツ石山と呼ばれるようになりました。
その名の通り山頂部は岩場になっており、大きな岩が突出しています。山頂には視界を遮るものがないため、360°の絶景パノラマビューを楽しめます。また、岩手県でも有数の有名な紅葉スポットでもあり、秋になると鮮やかな紅葉の彩りを一目見ようと多くの登山客が訪れます。
三ツ石山の見どころ

三ツ石山の見どころは山頂から望む360°の絶景です。山頂からは岩手山はもちろん、八幡平、秋田駒ヶ岳などを一望する四季折々の雄大な景色を望むことができます。秋になると山頂付近から少しずつ草木が色めき立ち、辺り一面に美しい紅葉の景色が広がります。その美しい紅葉は東北でも有数の人気スポットとして知られています。
周辺には網張温泉や松川温泉などの長い歴史をもつ温泉スポットがあり、下山後にはゆっくりと疲れた身体を癒やすことができます。
三ツ石山おすすめ初心者ハイキングコース
三ツ石山のハイキングコースには網張温泉から登るコースと松川温泉から登るコースがあります。どちらのコースも初心者でもチャレンジすることができますが、まずは網張温泉から登るコースをおすすめします。
こちらのコースは標高1,000m付近まで車でアクセスすることができる他、リフトを乗り継いで標高1,300mまで登ることができるので、初心者でも気軽にハイキングをすることができます。
登山口
三ツ石山登山口
アクセス
自動車の場合:
『東北自動車 滝沢インター』から県道278号線を直進し、突き当たりを右折して県道219号線に入ります。そのまま直進すると県道212号線に切り替わるので、そのまま道なりに直進すると縄張温泉に到着します。
《駐車場》
網張温泉駐車場
- 料金:無料
- トイレ:あり
電車・バスの場合:
公共交通機関でアクセスする場合は最寄りの駅からタクシーを利用することになります。自動車でのアクセスがおすすめです。
岩手県には絶景ハイキングスポットがたくさん!岩手の山を歩こう!
岩手県でも特に初心者や子ども連れのファミリーに人気のおすすめのハイキングスポットをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
広い岩手県には登山・ハイキングを楽しめる魅力的な山がまだたくさんあります。まずは今回ご紹介した山からチャレンジをして、経験を積んでみてはいかがでしょうか?

筆者プロフィール:中土 剛志
株式会社センターグローブ代表。 SEOや記事制作の仕事に携わりながら、登山をライフワークとして楽しんでいます。
「日本山歩きのクエスト」は、登山やハイキングをもっと気軽に楽しんでほしいという思いから、自身の体験をもとに立ち上げたサイトです。
月に一度は山に足を運び、これまでに富士山や剣岳といった名峰にも挑戦してきました。
はじめて山歩きに挑戦する方にもやさしく紹介していますので、参考にして頂けますと嬉しいです。