メンズの登山服装の基本と選び方|季節別のおすすめも紹介

登山時は、適切に体温調節をおこなう必要があります。季節に関わらず多くの汗をかくことから、熱中症や低体温症のリスクがあり、最悪の場合は命にかかわることも。登山を安全に楽しむためにも、どのような服装が適切なのか理解しておきましょう。そこで、本記事では登山の服装選びのポイントをわかりやすく解説します。後半ではおすすめのメンズの登山服も紹介するため、これから登山に挑戦したい男性の方はぜひ参考にしてください。

目次

登山の服装の基本

登山では山頂を目指して山に登ります。ときには山小屋に宿泊して山頂を目指すこともあり、服装に悩む方も多いでしょう。

気温は、季節だけでなく山の標高の影響も受けるため、いつどの山に登るかによって適切に服装を選ぶ必要があります。肌の露出が多い場合、怪我や紫外線・虫によるリスクが高まるため、肌の露出はできるだけ抑えましょう。疲れにくくするためにも、動きやすい服装を選ぶことが重要です。

登山は普段着でもできる?

登山のために開発された衣服は、機能性が高く、快適に登山を楽しめます。しかし、すべての衣服を揃えるとなると、高額な費用が発生するため、困っている方も多いでしょう。

山には怪我や紫外線・虫・風など山にはさまざまなリスクがあるため、普段の格好での登山はおすすめしません。しかし、服によっては登山服の代用になるものがあるため、慎重に選ぶことで普段着を登山服として代用できます。無理のない範囲で少しずつ登山服を揃えていきましょう。

登山でNGな服装例

季節に関わらず、登山では行動中に汗をかきます。衣服が汗で濡れた状態が続いた場合は、汗冷えによって体温が低下して、身体のさまざまな機能が低下します。最悪の場合は命にかかわることも。

登山を安全におこなうために、吸水性や速乾性が低い衣服は避けましょう。具体的には、綿100%のTシャツなどが挙げられます。吸水性は高いものの速乾性が低いため、汗で衣服が濡れた状態が長く続き、汗冷えが起こりやすくなります。

登山の服装選びのポイントは「レイヤリング」

気温は山の標高や天気によって変動し、体温は運動量によっても変動します。一日の登山の中でもコンディションは変動するため、うまく体温を調整して、熱中症や低体温症を防止しなければなりません。

登山の服装を選ぶ際は、レイヤリングを意識しましょう。レイヤリングとは重ね着のことであり、着脱によって簡単に体温を調節可能です。登山ではベースレイヤーとミドルレイヤー・アウターレイヤーの3層を重ねて着用します。

ベースレイヤー

ベースレイヤーとはレイヤリングの一番内側に着用する衣服です。身体の表面から汗など水分をすばやく吸収することで、汗冷えや蒸れを防止します。

ベースレイヤーを選ぶ際のポイントは、季節や運動量に応じた生地の厚みと機能性です。暑い時期や運動量が多い日は薄い生地で速乾性の高いものを、寒い時期や運動量が少ない日は厚い生地で保温性の高いものを選びましょう。

【普段着で代用できるアイテム】

ポリエステルやナイロン素材のTシャツなど汗をすばやく吸収する素材であれば、普段着で代用可能です。

ミドルレイヤー

ミドルレイヤーとはレイヤリングの中間に着用する衣服です。ベースレイヤーの水分を吸収することで、ベースレイヤーをドライに保つ役割があります。

ミドルレイヤーを選ぶ際のポイントは、着用シーンに応じた素材です。休憩中に着用する場合は保温性の高いものを、行動中に着用する場合は通気性の高いものを選びましょう。

【普段着で代用できるアイテム】

保温性の高い素材であれば、普段着で代用可能です。具体的にはタウンユースのフリースなどが挙げられますが、登山用のものより保温性が高いため、行動時の着用はおすすめしません。

アウターレイヤー

アウターレイヤーとはレイヤリングの一番外側に着用する衣服です。雨や雪・風から体を守り、体温の低下を防止します。

透湿性が低い場合、アウターレイヤーの中が汗で蒸れてしまいます。アウターレイヤーを選ぶ際は、防水性に加えて、透湿性の高さも意識しましょう。

【普段着で代用できるアイテム】

防水性の高い素材であれば、普段着でも代用可能です。具体的には普段着用するレインウェアなどが挙げられますが、タウンユースのものは透湿性が低く、汗で蒸れやすい点が多いため注意しましょう。

ボトムス

ボトムスとは下半身に着用する衣服で、ズボンだけではなく、ショートパンツなども該当します。紫外線や怪我・虫などから体を守ることが着用目的です。

ボトムスを選ぶ際のポイントは、気温に応じた丈の長さと生地の厚さです。気温が低い日は長袖で厚手のものを、気温が高い日はショート丈で薄手のものにタイツを合わせてもよいでしょう。沢歩きなど水に濡れる場合は、撥水性や速乾性の高いものを選ぶことも重要です。

【普段着で代用できるアイテム】

伸縮性の高い素材であれば、普段着でも代用可能です。木の枝にひっかけたり、転倒したりした場合に破れてしまわないために、耐久性の高いものを選びましょう。

春・秋におすすめのメンズの登山服装

地域によって異なるものの、春(3~5月)や秋(9~11月)の平均気温は15~25度です。気温が穏やかで初心者におすすめの季節です。しかし朝晩は冷え込みやすく、10度程度になることもあるため、油断をせずに防寒対策をおこなっておきましょう。

【春・秋の登山 一般的な服装例】

【ベースレイヤー】ポリエステル

【ミドルレイヤー】フリース

【アウターレイヤー】ソフトシェル

【ボトムス】ロングパンツ

以下で、春・秋の登山におすすめのアイテムを3つ紹介します。

Patagonia|メンズ・トレントシェル 3L・レイン・ジャケット

メンズ・トレントシェル 3L・レイン・ジャケット」は、抜群の防水性と透湿性が魅力のジャケットです。Patagoniaによる防水性と透湿性・耐久性を基準とする審査を受けて「H2Noパフォーマンス・スタンダード」という規格の表示を受けています。

首元にはマイクロフリースの裏地を施すことで、快適な肌触りを実現しています。フードは2通りの方法で調整可能であり、使わない時はコードとフックで簡単に留められます。

サイズ展開XS/S/M/L/XL/XXL
素材H2Noパフォーマンス・スタンダード・シェル
重量400g
カラーAmanita Red/Smolder Blue/Black/Old Growth Green/Marlow Brown/Plummet Purple/Nouveau Green/Endless Blue/Phosphorus Green/Subtidal Blue/Tent Green/Bundle Green/Tidal Teal/Pollinator Orange

THE NORTH FACE|フューチャーライトパラボラジャケット

フューチャーライトパラボラジャケット」とは、THE NORTH FACEの独自開発素材「FUTURELIGHT」を使用したジャケットです。「FUTURELIGHT」ではナノレベルのポリウレタン繊維をミクロ単位で吹き重ねることで、高い防水性と透湿性を実現しています。

軽くしなかやな着心地となっており、身体の動きを制限しません。登山やクライミングなど幅広いアウトドア・アクティビティで活躍する逸品です。

サイズ展開XS/S/M/L/XL
素材<前身頃・肩・袖>15D Nylon×30D Hard Ripstop Polyethylene(3層)
<フード・後身頃>7D Recycled Nylon FUTURELIGHT(3層)
重量
カラーヒーロブルー/ブラック

THE NORTH FACE|アルパインライトパンツ

アルパインライトパンツ」は、高い伸縮性が魅力の登山パンツです。リサイクルナイロンとポリウレタンの混紡生地によって、まるでニットのような着心地と伸縮性を実現しています。

裾が細いデザインのテーパードシルエットでありながら、立体的なデザインによって脚を動かしやすい点が魅力です。シンプルなデザインで、登山だけではなくクライミングやハイキングでも着用できます。

サイズ展開S/M/L/XL/XXL
素材APEX Aerobic Light Recycled Nylon
重量
カラーアスファルトグレー/アルパイン/トープ/ブラック

夏におすすめのメンズの登山服装

地域によって異なるものの、夏(6~8月)の平均気温は25~30度です。夏は登れる山の選択肢が増える季節であり、初心者にもおすすめの季節ですが、気温が高いため、熱中症や汗冷えを起こさないように体温管理や水分補給が重要です。熱中症や汗冷え・紫外線対策を施した服装を取り入れて、登山を楽しみましょう。

【夏の登山 一般的な服装例】

【ベースレイヤー】ポリプロピレン

【ミドルレイヤー】シャツ

【アウターレイヤー】シェルジャケット

【ボトムス】ショートパンツ

ミズノ|ベルグテックEXストームセイバーVI レインスーツ

ベルグテックEXストームセイバーVI レインスーツ」は、圧倒的な強度を誇る3層構造のレインスーツです。一般的な2層構造のレインスーツは汗でべたつきやすくなっているのに対し、独自の3層構造で生地裏面をサラサラに仕上げることによって、べたつきによるストレスを軽減しています。

100回洗濯しても水をはじく、高い耐久性も魅力です。分子構造による科学的原理を最大限生かすことで、高い防水性を実現しながら、レインスーツ内の湿気を外部へ発散しています。

サイズ展開S/M/L/XL/2XL/SB/MB/MBB
素材ナイロン
重量550g(Mサイズ)
カラーブルー/ピスタチオ/アカシアイエロー/レッド/ドレスネイビー/オレンジ

adidas|テレックス Xperior クライマクール+半袖Tシャツ

adidasの「テレックス Xperior クライマクール」は、高い吸汗速乾性が魅力のTシャツです。素材にはクーリング性能に優れたCLIMACOOLを採用。ゆったりとしたシルエットで着心地がよくなっています。

暑い日のトレイルランやハイキングのために作られたアイテムですが、スポーツやワークアウトシーンでも活躍するため、1枚持っておいて損はありません。

サイズ展開2XS/XS/S/M/L/XL/2XL/3XL/4XL/5XL
素材ポリエステル
重量
カラーCarbon/White

THE NORTH FACE|マウンテンカラーショーツ

「マウンテンカラーショーツ」は、撥水加工を施したストレッチナイロン素材を使用したショートパンツです。右腰・左太ももにはファスナー付きポケット、両サイドにはスラッシュポケットを配置。アウトドアシーンでの使いやすさが追求されています。脚さばきが快適な丈感で、伸縮性も高いため動きやすい点が魅力です。

サイズ展開S/M/L/XL
素材Ripstop Recycled Nylon Active Stretch
重量
カラーアルパイン/スペース/マッシュルーム/セコイアレッド/ヤムオレンジ

冬におすすめのメンズの登山服装

地域によって異なるものの、冬(12~2月)の平均気温は2~10度です。標高が高くなると、平地の気温よりもさらに気温は低くなるため、徹底して防寒対策をおこないましょう。冬の雪山は基本的に登山の初心者には向いていませんが、太平洋側の山など雪の少ない山を選べば、初心者でも冬の登山は可能です。

【冬の登山 一般的な服装例】

【ベースレイヤー】メリウール

【ミドルレイヤー】保温性の高いフリース

【アウターレイヤー】ハードシェル

【ボトムス】ロングパンツ

mont-bell|スーパーメリノウール M.W. ラウンドネックシャツ Men’s

スーパーメリノウール M.W. ラウンドネックシャツ Men’s」は、天然の吸湿発熱素材であるスーパーメリノウールを採用しているシャツです。吸湿発熱素材は複数ありますが、その中でもスーパーメリノウールは優れた発熱量を誇っています。

汗をかいても冷たくなりにくく、保温性を確保できる点が魅力です。ウールの形状から汗はゆっくり気化するようになっているため、汗冷えを起こしにくくなっています。

サイズ展開XS/S/M/L/XL
素材スーパーメリノウール
重量約180g
カラーブラック/ネイビー/ライトグレー

THE NORTH FACE|サンダーラウンドネックジャケット

「サンダーラウンドネックジャケット」は、保温効果に優れた光電子と撥水ポリエステルファイバーをブレンドしたジャケットです。濡れても保温性を確保できるうえに、耐久撥水加工を施しているため、急な雨にも対応できます。

首回りが開いていることから、重ね着しても不快に感じにくい点も魅力です。登山シーンだけではなく、タウンユースとしてもカジュアルに着用できます。

サイズ展開S/M/L/XL/XXL
素材<表地>PERTEX Quantum ECO
<中わた>HYBRID CLEANDOWN 光電子 PRO
<裏地>PERTEX Quantum ECO
重量約255g(Lサイズ)
カラークレイグレー

MILLET|ドロワット ウォーム パンツ

ドロワット ウォーム パンツ」は、肌触りの良い裏起毛のストレッチ素材を採用した登山パンツです。内股下は動きを妨げないワンパネル構造を取り入れ、立体裁断を施すことで、動きやすさとデザイン性を両立。冬向けのアイテムながら、すっきりとしたストレートシルエットが魅力です。冬場の寒い時期の登山でも、スタイル良く見せたい人におすすめです。

サイズ展開XS/S/M/L/XL
素材ポリエステル92% ポリウレタン8%
重量456g
カラーCASTELROCK/BLACK・NOIR/DORITE

まとめ

登山には熱中症や低体温症のリスクがあります。最悪の場合は命にかかわってしまうため、衣服を着脱することで体温を調整しましょう。そのためには、ベースレイヤーとミドルレイヤー・アウターレイヤーのそれぞれで適切な衣服を選ぶ必要があります。

レイヤリングの層は、それぞれ役割が異なります。季節や天候・着用タイミングなどによってふさわしい服装は異なるため、そのときどきで最適なアイテムを取り入れなければなりません。多くのメーカーがさまざまな商品を販売しているため、機能性だけではなく、惹かれるデザインや着心地のよいものを見つけてみましょう。

中土剛志

筆者プロフィール:中土 剛志

株式会社センターグローブ代表。 SEOや記事制作の仕事に携わりながら、登山をライフワークとして楽しんでいます。

「日本山歩きのクエスト」は、登山やハイキングをもっと気軽に楽しんでほしいという思いから、自身の体験をもとに立ち上げたサイトです。

月に一度は山に足を運び、これまでに富士山や剣岳といった名峰にも挑戦してきました。

はじめて山歩きに挑戦する方にもやさしく紹介していますので、参考にして頂けますと嬉しいです。

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この記事を書いた人

筆者プロフィール:中土 剛志
株式会社センターグローブ代表。 SEOや記事制作の仕事に携わりながら、登山をライフワークとして楽しんでいます。
「日本山歩きクエスト」は、登山やハイキングをもっと気軽に楽しんでほしいという思いから、自身の体験をもとに立ち上げたサイトです。
月に一度は山に足を運び、これまでに富士山や剣岳といった名峰にも挑戦してきました。
迫力ある絶景も魅力ですが、畦ヶ丸や西沢渓谷のような森や渓流に癒されるひとときもいいですよね。
はじめて山歩きに挑戦する方にもやさしく紹介していますので、参考にして頂けますと嬉しいです。

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