登山のアウター選びのポイント|季節別のおすすめや注意点を紹介

登山を安全かつ快適に楽しむために重要なのがアウター選びです。山の天気や気温は非常に変わりやすく、街中と同じ感覚でアウターを選んでしまうと思わぬ寒さや雨で体力を奪われ、最悪の場合、低体温症などを引き起こします。

ですがアウターの種類が多すぎて「どれを選べば良いのか分からない」と悩む方も多いのではないでしょうか。

この記事では、登山アウターの種類や季節ごとの選び方、おすすめ商品、アウターを選ぶ際の注意点を解説します。自分の登山スタイルや季節にぴったりの一着を見つける際の参考にしてください。

目次

登山アウターとは

登山アウターとは、その名の通り、登山時に着用するアウターです。雨や雪・風から体を守ることで低体温を防止する役割だけではなく、汗を外気へ逃がす役割もあります。

「アウターは防寒対策だから、暑い時期は着用の必要はないのでは?」と考える方もいるでしょう。アウターレイヤーを着用していない場合、汗が蒸発する際に体温を奪うことで低体温症になる可能性があります。最悪の場合は命に関わるものであるため、季節に関わらず、登山アウターを着用して汗冷えを防止することが重要です。

登山アウターの種類

Photo by 日本山歩きクエスト

一口に登山アウターといっても、種類はさまざまです。

  • レインウェア
  • シェルジャケット
  • ウィンドブレーカー

それぞれ機能性が異なるため、自分に合った登山アウターを選べるように種類ごとの特徴を理解しておきましょう。

 防水性防風性防寒性重量(軽さ)
レインウェア
シェルジャケット
ウィンドブレーカー×

レインウェア

レインウェアとは、雨の日に着用する登山アウターで、雨を弾く素材によって体が雨で濡れることを防ぎます。登山アウターの種類の中でも防水性の高い点が特徴です。

街着のカッパやレインコートとの違いは、透湿性の有無にあります。透湿性とは、水蒸気を内側から外側へ逃がす機能であり、レインウェアは透湿性に優れていることに対し、カッパやレインコートには透湿性がありません。レインウェアには、汗を外側に拡散することで体温低下を防止する役割もあるのです。

シェルジャケット

シェルジャケットとは、雪山や高山で着用する登山アウターで、透湿防水素材によって雨や雪・風から体を守ります。登山アウターの種類の中でも防寒性と保温性の高い点が特徴です。

シェルジャケットには、ソフトシェルジャケットとハードシェルジャケットの2種類があります。ソフトシェルジャケットは透湿性や伸縮性・携帯性が長けているのに対し、ハードシェルジャケットは防寒性や保温性・撥水性が長けている点が魅力です。

ソフトシェルジャケットはタウンユースに使えるものの、雪山では力不足に感じるでしょう。ハードシェルジャケットは雪山でも十分に機能を発揮できますが、汗をかいた際に少し蒸れる場合があります。

ウィンドブレーカー

ウィンドブレーカーは、ナイロンやポリエステルで作られた防風性に特化している登山用アウターです。

登山では、風にさらされることで体感温度が急激に下がる「風冷え」への対策が欠かせません。同じ気温であっても風が強い日ほど体力が奪われるため、風を遮断して体温低下を防ぐウィンドブレーカーは必須アイテムです。

なお、表面に撥水加工が施されている商品もありますが、基本的には雨を防ぐ防水性はありません。そのため、レインウェアとはしっかり区別して使い分ける必要があります。

登山アウターの選び方

Photo by 日本山歩きクエスト

登山アウターを選ぶ際は、以下の点を意識することが大切です。

  • 防水透湿性が高いものから選ぶ
  • 耐摩耗性が高いものから選ぶ
  • 天気(雨が降るかどうか)で選ぶ

登山アウターとしてハードシェルジャケットを選ぶ際は、併せてベンチレーションの位置を確認しておきましょう。ベンチレーションとは通気をする部分のことであり、脇など汗のかきやすい場所に設置されている場合、効果的に汗や熱を逃がすことが可能です。

春、秋の登山の服装例・おすすめ商品

春(3~5月)や秋(9~11月)の平地の平均気温は15~25度です。気温が穏やかなうえに、美しい緑や花を楽しめる春や秋は人気があります。ただし、朝晩の気温は下がりやすく、体を冷やしやすいため、服装選びは慎重に行いましょう。

以下で、春と秋の登山におすすめの服装例を紹介します。

【春・秋の登山の一般的な服装例】

メンズ【ベースレイヤー】ウール
【ミドルレイヤー】フリース
【アウターレイヤー】シェルジャケット
【ボトムス】ロングパンツ
レディース【ベースレイヤー】シルク
【ミドルレイヤー】シャツ
【アウターレイヤー】ウィンドブレーカー
【ボトムス】コンバーチブルパンツ

次に、メンズ・レディース別におすすめの商品を紹介します。

ザ・ノースフェイス|クライムライトジャケット【メンズ】

クライムライトジャケットは、寒暖差が激しく天候が変わりやすい春・秋の登山に理想的な一着です。優れた防水・透湿性に加え、高い防風性を備えた「GORE-TEX」が冷たい風や急な雨から体を守ります。さらに、脇下に「ベンチレーション」が搭載されており、ファスナーを開閉すれば衣服内にこもった熱や蒸れを素早く逃がしてくれます。

サイズ展開S/M/L/XL/XXL
素材ナイロン
重量約285g(Lサイズ)
カラークレイグレー/エンドレスダスク/マリーナブルー×TNFブルー/ホットコーラル/ブラック

ザ・ノースフェイス|クライムライトジャケット

ARC’TERYX |ベータ AR ジャケット【ウィメンズ】

ベータ AR ジャケットは、摩耗に強い「GORE-TEX PRO」を採用しており、岩場や木々との擦れを気にせず使えるタフさが魅力です。また、インナーを重ね着しやすい少しゆとりのある立体設計なので、気温に応じてフリースやダウンを下に仕込みやすく、寒暖差のある季節の体温調節もストレスフリーに行えます。

サイズ展開XS/S/M/L/XL
素材GORE-TEX®
重量600g
カラーArctic Silk×SolitudeⅡ/Cosmic Bloom/Mallow/
Black

ARC’TERYX |ベータ AR ジャケット

夏の登山の服装例・おすすめ商品

夏(6~8月)の平地の平均気温は25~30度です。気温も高く、汗をかくため、熱中症や汗冷えを起こさないための服装選びが必要となります。以下で、夏の登山におすすめの服装例を紹介します。

【夏の登山の一般的な服装例】

メンズ【ベースレイヤー】ポリプロピレン
【ミドルレイヤー】シャツ
【アウターレイヤー】シェルジャケット
【ボトムス】ショートパンツ
レディース【ベースレイヤー】ポリエステル
【ミドルレイヤー】ソフトシェル
【アウターレイヤー】レインウェア
【ボトムス】ショートパンツ

mont-bell|ストームクルーザー ジャケット Men’s【メンズ】

ストームクルーザージャケットは、GORE® C-ニット™バッカーテクノロジーを採用することで着心地のよさを追求しているレインウェアです。縫製箇所を少なく抑えることで軽量化にも成功しています。防風性や防寒性も優れており、この1着でウィンドブレーカーとしても使用できる点も魅力です。

こちらの商品はメンズ用ですが、女性でも着用可能です。別でレディース用の商品が販売されており、色展開も異なるため、興味がある方はぜひ併せてチェックしてください。

サイズ展開XS/S/M/L/XL/XXL/M-R/L-R
素材バリスティックナイロン
重量254g
カラーブラック/ブルーグリーン/イエロー/ブルー/レッド/ブルー26

mont-bell|ストームクルーザー ジャケット Men’s

mont-bell|トレントフライヤー ジャケット Women’s【レディース】

トレントフライヤージャケットは、ゴアテックスを採用しており、高い防水透湿性やコンパクト性を実現しています。細部にまで防水・撥水処理をおこなっており、最高レベルの防水性能が魅力です。夏場のゲリラ豪雨に遭遇しても体温を維持できるでしょう。

こちらの商品はレディース用ですが、サイズが合えば男性でも着用可能です。別でメンズ用の商品が販売されており、色展開も異なるため、興味がある方はぜひ併せてチェックしてください。

サイズ展開XS/S/M/L/XL
素材バリスティック エアライト®ナイロン
重量209g
カラーブラック/コーラルピンク/ライトグレー/イエロー

mont-bell|トレントフライヤー ジャケット Women’s

冬の登山の服装例・おすすめ商品

冬(12~2月)の平地の平均気温は2~10度です。他の季節と比較すると登山者が少なく、静かな環境で登山を楽しめます。低気温で対流活動が弱く、空気中の水蒸気やちりが少ないことから、冬ならではの絶景を見ることが可能です。ただし、気温が低いため汗冷えを起こさないための服装選びが必要となります。また、吹雪などの悪天候に遭遇した場合は、近くの山小屋に避難しましょう。

以下で、冬の登山におすすめの服装例を紹介します。

【冬の登山の一般的な服装例】

メンズ【ベースレイヤー】ウール
【ミドルレイヤー】フリース
【アウターレイヤー】シェルジャケット
【ボトムス】ロングパンツ
レディース【ベースレイヤー】ウール
【ミドルレイヤー】ダウン
【アウターレイヤー】シェルジャケット
【ボトムス】ロングパンツ

NORRONA|メンズ ロフォテン ゴアテックス プロ ジャケット【メンズ】

ロフォテンゴアテックスプロジャケットは、高い防風性や防水透湿性・撥水性が魅力のシェルジャケットです。脇下にはベンチレーションが斜めに設置されており、片手ですぐ開けられます。また、フロントファスナーに沿って開くメッシュのベンチレーションも設置されており、バックパックを背負ったままでも快適に換気可能です。

サイズ展開S/M/L/XL/XXL
素材GORE-TEX PRO
重量640g
カラーCaviar/Whisper White/Gold Flame

NORRONA|メンズ ロフォテン ゴアテックス プロ ジャケット

Columbia|マウンテンズアーコーリングVジャケット【ウィメンズ】

マウンテンズアーコーリングVジャケットは、独自の防水透湿素材が雪や冷たい風をブロックしてくれる一着です。シェル特有のカサカサとした擦れ音が抑えられているため、冬の静かな登山に集中できるのも魅力の一つです。また、優れた伸縮性(2WAYストレッチ)を備えているため、中にフリースや厚手のダウンを着込んでも突っ張らず、アクティブな動きを妨げません。

サイズ展開XS/S/M/L/XL
素材表側:リサイクルポリエステル100%、裏側:ナイロン100%
重量約446g(Mサイズ)
カラーVintage Blue/Shark

Columbia|マウンテンズアーコーリングVジャケット

登山アウターを選ぶ際の注意点

これから登山をする人の中には「ダウンジャケットを登山アウターとして活用できないの?」と気になる方もいるでしょう。結論からいうと、ダウンジャケットは登山アウターとしては向いていません。

ダウンジャケットは保温性が高いものの、水に弱い性質があります。羽根の間に空気を溜めることで温かい空気を保持するため、雨に濡れることで保温性は失われます。保温着のミドルレイヤーとしての着用に向いており、登山アウターは他のものを選びましょう。

まとめ

過酷な山の環境から命を守るために、登山用アウターは季節を問わず必須のアイテムです。アウターを選ぶ際はそれぞれの特徴を正しく理解し、雨と汗冷えを防ぐ「レインウェア」、雪山や高山に対応する「シェルジャケット」、風冷えをシャットアウトする「ウィンドブレーカー」をシーンに合わせて使い分けることが大切です。

なお保温性の高いダウンジャケットは水に弱いため、アウターではなく防寒着として重ね着するのが鉄則です。登る山の環境や季節に合わせた最適な一着を見つけ、安全かつ快適に登山を楽しみましょう。

 

中土剛志

筆者プロフィール:中土 剛志

株式会社センターグローブ代表。 SEOや記事制作の仕事に携わりながら、登山をライフワークとして楽しんでいます。

月に一度は山に足を運び、これまでに富士山や剣岳といった名峰にも挑戦してきました。

登山情報を、はじめて山歩きに挑戦する方にもやさしく紹介していますので、参考にして頂けますと嬉しいです。

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この記事を書いた人

筆者プロフィール:中土 剛志
株式会社センターグローブ代表。 SEOや記事制作の仕事に携わりながら、登山をライフワークとして楽しんでいます。
「日本山歩きクエスト」は、登山やハイキングをもっと気軽に楽しんでほしいという思いから、自身の体験をもとに立ち上げたサイトです。
月に一度は山に足を運び、これまでに富士山や剣岳といった名峰にも挑戦してきました。
迫力ある絶景も魅力ですが、畦ヶ丸や西沢渓谷のような森や渓流に癒されるひとときもいいですよね。
はじめて山歩きに挑戦する方にもやさしく紹介していますので、参考にして頂けますと嬉しいです。

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